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AIチップ
エメリーは次の日から、また私を外へ連れ出してくれるようになった。私に付けられたのは《AIチップ》というものらしい。『あなたのお気に入りの人形と自由にお話出来ます!』というCMを最近見た。私が言いたい事とは多少違うことが多いけど、話せないよりはましね。
──2ヶ月後──
事件は突然やってきた。いつもの通りエメリーは私を外へ連れ出す。家を出たすぐの道で、嫌な奴と出会った。エメリーに会うとよくちょっかいをしてくる。
ルーク「よぉ、エメリー。まーた、いつもの人形連れて歩いてるのか?お前本当にガキだな。はははっ」
エメリー「いいじゃない!それに人形じゃなくて親友!」
ルーク「ぷはっ!ばっかじゃねぇーの?人形が親友とか本気で言ってんの?だっせぇ。」
エメリー「アングレカムをバカにしないで!アングレカム、行こう!!」
アングレカム「エメリー、行こう。」
公園に着くと、ミアが待っていた。ミアの腕には猫のぬいぐるみケビンが大事そうに抱かれていた。ミアが説明してくれたミアの大切なお友達。
ミア「おはよう。エメリー、アングレカム。」
エメリー「おはよう!ミア。ケビンを連れてくるなんて珍しいね!」
ミア「昨日、お父さんがAIチップを買ってきてくれたんだ。」
ケビン「ミア、ボク、お腹すいたぁ」
ミア「はぁ、この子ったら食いしん坊なんだから。ケビン、エメリーとアングレカムに挨拶は?」
ケビン「よろしくねぇ」
エメリー「よろしくね!ケビン!」
アングレカム「よろしく。」
遊び疲れて公園のベンチで3人と1匹で休憩していると、公園の奥の砂地で1人の男の子がうずくまっている。3人の男の子がその子を囲んでいた。
エメリー「あいつら、またコナーいじめてる!」
ミア「エメリー、やめておきなよ。」
ミアが不安そうに言う。ミアの言う通りだよ。エメリー行かないで!
エメリー「私は大丈夫!ミア、心配してくれてありがとう。アングレカム、一緒に行こう!」
ミア「エメリー、待って。私もついて行く…!」
とても心配だけど、やっぱりエメリーは優しくてかっこいい!自慢の私の親友!エメリー頑張れ!
エメリーが砂地に着くと囲んでいた男の子達はボール遊びをしていた。うずくまっていた男の子は木陰で泣いていた。エメリーはその子に近づく。
エメリー「コナー、大丈夫?」
コナー「…ルークのっ…投げたボールがっ…僕のっ…顔に…」
エメリー「ルーク!!」
ルークはエメリーに呼ばれて振り向く。すると前から来ていたボールが私の胸に強く当たった。エメリーは驚いた顔をした。とても不安そうな顔をしている。男の子二人は慌てて逃げていった。ルークはなにか言いたそうな顔をして男の子達を追いかけて行った。
ミア「エメリー大丈夫?」
エメリー「私は大丈夫…。でも、アングレカムが…!…アングレカム、大丈夫?」
アングレカム「だい…じょ…うぶ…」
エメリーは泣き出してしまった。ミアはエメリーをなだめた。しばらくしてエメリーは泣き止んだ。とても悲しそうな顔をしている。
エメリー「…帰ろう。」
ミア「…うん」
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