番外編:はじまりの花

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「なんだよ親睦って。親睦を深めるのはお前だよ……」  婚約したばかりの二歳年下のご令嬢。  親睦を深めるために月に一度開催されることが決まったというお茶会の、よりにもよって第一回目。 “せめて一回目くらいは行けよ!”  ガンガンと頭痛がするのは、相変わらずな自称友人のせいだろう。 「生花以外の産業があればなぁ」  例えば乾燥させた花を小さな袋に入れて販売するのはどうだろう。  乾燥させても匂いが残る花は残るし、長く香りを楽しめ持ち歩ける。  貴婦人たちに人気が出れば、万一生花栽培に何があっても……とそこまで妄想を膨らませた俺は、今度は思い切り馬車の背もたれに体を預けた。 「はぁ、そんな袋持ってる貴婦人、想像できないよなぁ」  納品先を王都ではなく他国にすることも考えた。  だが、ありがたいことに我がクラウリー産の生花は王都で人気が高く王家からも注文が入る。  王家から注文が入るならばもちろん納品せねばならず、そして納品するならば結局は通行料の問題が立ちはだかった。  生花にかわる何かがあれば話は変わってくるのだろうが、今のところそんな思いつきもなく……  
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