195人が本棚に入れています
本棚に追加
49 トリアステルの皇太子〜王女視点〜
3日程見なかったヒューイ様が登校して来たと思ったら、一緒に居るのはあの女だった。
アンドリュー王子様もヒューイ様もあんなのの何処がいいのかしら? ちょおっとだけ私より美人で、ちょおっとだけ頭が良くて、ちょおっとだけ私より背が高くて、ちょおっとだけ所作が綺麗なだけじゃないのよ。
近くまで行って文句を言ってやったら
『親戚です』
ってあっさり言われたわ。え、親戚? そういえば近くで見たら顔が何となく似てるわね? 目の色も一緒なのね。よく見たら髪色が違うだけじゃないのっ?! なんてことなの! じゃあヒューイ様と夫婦になったらこの女とも親戚なの? え~~・・・しかもアンドリュー王子様とは婚約継続してるって? どうなってんの?
この女がお父様の申し出を断ったって事? 駄目じゃん。たかが公爵令嬢なのに王族の申し出を断るって何様なのよ?
いいわ、又国に手紙書いちゃうもんね。
それよりも、皇太子と第2王子様どっちにしたらいいんだろう?
アンドリュー様は見た目はイケメンな上に細マッチョでカッコいい騎士様みたいで憧れるけど、公爵令嬢とイチャイチャしてるって聞くしなぁ・・・他の女共から付け入る隙なんか無いって言われたし。
ヒューイ様はthe王子様でちょっと線が細いけど、所作は優雅で見た目以上に強いのは魅力だわ。16歳だから筋肉が付くのが遅いくらいの気がするけど、ひょっとしたら着痩せするとか・・・ジュルリ
あら、おかしいわね。何で口元が・・・
ハンカチで慌てて拭いたけど誰も見てなかったみたい。セーフだわ・・・
「王女殿下?」
「はっ! ハイッ」
「寝不足ですか?」
「え?」
「いや、さっきヨダレ・・・ブフォ」
「きゃぁああああッ!」
思わず両手でヒューイ様の口を塞いじゃったわッ! どどどどどうしようッ!!
「いや、寝不足じゃ無ければいいんですけど」
そう言いながら馬鹿力であっさり両手を外されちゃったわ。え、うそん、見た目以上にパワータイプじゃないのッ!? じゃ無くて、なにしてんのよワタシッ!
「ごごごごめんなさいッ!! つい」
不敬よ不敬ッ!! 相手帝国よッ! ヤバイッ!!
思わず頭を下げちゃったわよう~! ワタシ王女なのにぃ~~~~!!
それなのにパニックになったワタシの顔を覗き込んで、ニヤッと笑う皇太子殿下。
え?! 何? 何事? なんか背筋がゾッとしたわよ? 何でぇ???
「大丈夫、お忍びだから。罪になんか問わないよ
ピンクちゃん」
え? 今なんつった? ピンクちゃん?何それ??? え、ああ、私の髪色? それとも学生服の上に羽織ったカーディガンの色? え、ちょっとぉ、何でワタシの髪の毛手に取ってるのッ!?
「ふう~ん。近くで見たらこんな色なんだ。珍しいな赤は劣性遺伝子のハズだけどこんな形で遺伝するのかなぁ・・・研究してみたいなぁ」
え、なに? なんかこの人怖いんですけど・・・・ 気の所為かしら?!
え、え、え、ええーっと・・・・
最初のコメントを投稿しよう!