君の背後霊になりたい

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大学生たちは一斉に、部屋を出て、廊下を駆け出した。古びた床を力強く蹴りつけるたび、白い埃が舞う。 「ひい、たすけてください!」 「とり憑かないでえ」 「呪わないでえ」 3人の足は尋常じゃないくらい速かった。このまま大会に出れば、メダルを総なめできるかもしれない。 『マテェエエ』 低い声のような風音が唸る。 「ひいいい」 それを聞いて、3人の足はさらに速くなった。 『マテェ……、マツンダァ』 3人は途中で転びながらも、なんとか出口までたどり着くと、そのままバイクに乗って逃げ去った。
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