5人が本棚に入れています
本棚に追加
大学生たちは一斉に、部屋を出て、廊下を駆け出した。古びた床を力強く蹴りつけるたび、白い埃が舞う。
「ひい、たすけてください!」
「とり憑かないでえ」
「呪わないでえ」
3人の足は尋常じゃないくらい速かった。このまま大会に出れば、メダルを総なめできるかもしれない。
『マテェエエ』
低い声のような風音が唸る。
「ひいいい」
それを聞いて、3人の足はさらに速くなった。
『マテェ……、マツンダァ』
3人は途中で転びながらも、なんとか出口までたどり着くと、そのままバイクに乗って逃げ去った。
最初のコメントを投稿しよう!