少女の世界

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物思いにふけっていると視界を横切る白いうさぎ。 2足歩行で走っている。 あれって不思議な国のアリスの…。 「待って。どこにいくの?」 思わず尋ねてしまうが返事はない。 「急がないと。急がないと。」 という言葉が聞こえてきそうなほど慌ただしく走っている。 そうだ。 王子様を待っているのは楽しいがやはり今の時代、女は待つだけではいけないだろう。 これも運命だ。追いかけよう。 後ろからお母さまとお姉さまが私を呼ぶ声がする。 でもその声を無視して窓の鍵を開け、窓から降りた。 2階なので少し足が痛んだが下は芝生なので問題ない。 そのまま森の中を白うさぎを追いかけて走る。 「待って!」 止まってくれない白うさぎに追いつこうとしてさらにスピードを上げる。 でも、無我夢中になっていて私は向かってくる熊に気づかなかった。 とてつもない衝撃とともに全身から悲鳴が聞こえる。 宙に浮いている身体。 その時見えた光景で私は、やっと、鉄の塊にぶつかったことを理解した。
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