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現実の世界
街の一等高いビル。
そこには情報を知らせるためのテレビがついていて管が巻き付いている。
その画面の中、スーツを着て眼鏡をした真面目そうなロボットが無機質な声で告げる。
「つい一時間ほど前に人間の死亡事故が発生しました。この人間は保護宅を脱走したようです。」
その横にいた美人だと言われている清楚系のロボットが口をはさむ。
「ここで保護宅について今一度確認を。5年前我々ロボットが地球の主導権を獲得して以降、統制するために多数の人間を処分してきました。
そして今絶滅寸前になった人間を保護しようと我々が道具でしかなかったとき人間に恩を感じていたロボットたちが中心となり保護している組織のことです。
しかし、人間は現在思考している部分が夢のような国を見せているという深刻な故障が生じているのが現状です。
これは専門用語でいうと防衛機制と言います。
もし保護したいとお考えのロボットは番組終盤に表示される電話番号までご連絡お願いいたします。」
「はい。保護にご協力お願いします。
また、本日の自己はオイル配達ロボを白うさぎと勘違いして追いかけたものでありこれで3件目の事例となります。
今一度、保護宅のロボは窓や扉の戸締りを確認してください。
そして、オイル配達ロボの塗装を白くしているロボは他の色へ変更するようご協力お願いします。
以上。お昼のニュースでした。」
灰色のビルが建ち並び狭くなった真っ黒な空に機械の音が溶けていった。
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