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男は決心した。絶対にかの男を殺すと。
それはこの男、肇の人生数えて十数回目になるであろう本気の殺意だった。
方法はこうだ。まずは川辺で包丁で一突き。
なるべくいっぱい血を抜いて河川敷の石の上に出来た血だまりを土で隠す。
そして死体を川の下流の方へ置く。
それから雨が降り、血が石や土から川のほうへ流れ男の死体が発見される。
その雨が降っている間別のところでアリバイを作れば容疑者から外れる。
完璧だ。
今の捜査能力では死亡してからどれくらい経ったかは死体の腐り具合からしか見れない。
ましてや血の跡をたどるなんて見えなければできない。
そんな技術はない。
その時間に家にさえいたら勝ちだ。
ただ、その計画には懸念点が1つ。
死体が腐る前に雨が降らないといけないこと。
そうだ。雨の降った日はしばらく雨が降りやすい。
まずは雨が降ったのを確認してから雨が降っていない時間に遂行。
そして雨が再び振り出すのを待てばいい。
よし。決行は雨が降った日の次の日だ。
ふふふ。はははは!雨よ降れ!雨よ降れ!!
盛大に高笑いをする男を見つめる女の影。
その女はこの夫の妻である。
この女、ハルは今回もどうしたものかと考えていた。
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