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「契約、します・・・」
答えに満足した彼は僕にスッとタブレットを渡す。そこには契約書と書かれた文書がある。
「ここにサインしろ」
豪さんはタッチペンを僕の目の前に置いた。
「俺の呼び出しに応じて、俺の指示通りに動いてくれればいい。前もってわかる日時のものは事前に知らせる。呼び出したのに来ない、は契約違反。呼ばれたら必ず来い」
呼ばれたら必ずか。出来るかなぁ。でもやらなくちゃ。
「・・・わかりました」
契約書には交通費や諸経費は全額支給とか、会社の取り決めみたいに事務的なことが書かれていた。それらを確認し、最後にお互いタッチペンで書類にサインをして、連絡先を確認し、僕らは契約を交わした。
「じゃあこれで終わりだ。今後についての詳細はメールで追って連絡する」
「はい」
なんだか不思議な契約を結んでしまった。考えもなしに契約して大丈夫だったかな・・・
でも、これで美蘭の夢が叶えられるかもしれない。豪さんの力があればきっと——。
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