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行為のあともベッドの上でダラダラしていると、豪くんが僕の身体に手を伸ばしてきた。
「これ可愛い。似合ってる」
豪くんの手は僕の着ている、ふわもこルームウェアを撫でている。たしかにこれはふわふわで、肌触りがぬいぐるみみたいでとても気持ちがいい。
「うん。ありがと。着心地もいいよ」
リラックスウェア専門のお店で、枕と一緒に豪くんが買ってくれたんだけど、メンズのラインナップもあるのに、豪くんが「お前は細すぎる」という理由でレディースのピンクを僕にオススメしてきた。
まぁ、レディースでも着てみたらわざとオーバーサイズに作られているようだったから、僕がメンズを着たら大き過ぎたと思う。
「あー。でもやっぱりこっちがいいな」
豪くんの手は、ふわもこルームウェアじゃなく、僕の太腿を撫で回す。
僕は行為のあと、上しか着なかったから下半身は何も身につけていない。
そんな状態で、豪くんに触られるとドキドキする。
「凛、こっち向け」
「えっ?」
呼ばれて豪くんのほうを振り向くと、豪くんに身体を抱き寄せられ、チュッと唇を奪われた。
突然のことで僕は驚いて、目をぱちぱちさせていると、それを見た豪くんが笑った。
「可愛い......ずっと俺のそばにいろよ」
そう言って豪くんは目を閉じ、ウトウトし始めた。お仕事も忙しいみたいだし、疲れたのかもしれない。僕はそっと豪くんに布団をかけた。
——ずっとそばに、か。
僕たちはいつまでこうして一緒にいられるんだろう。
豪くんが誰かと婚約するまで、かな。
僕は豪くんの婚約者にはなれない。どう足掻いたって男が女になることなんてないから。
僕は豪くんの寝顔を眺める。初めて見たときも思ったけど、豪くんはドキドキするくらいにかっこいい。
「好き」
隣にいる豪くんにも聞こえないくらいの小さな声で、僕は呟いた。
ピンポーン。
「あっ、来たっ!」
少し前に注文していたデリバリーが到着したみたいだ。
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