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「豪じゃないか!」
出来の悪い店長をみっちり絞っていると、名前を呼ばれた。
振り返ると、そこには俺の一番上の兄・周が立っていた。こいつが店のオーナーで、目の前の男は雇われマネージャーだ。
周は俺が店長を叱責していることを咎めはしなかった。むしろ「俺の弟は優秀だから。こいつの意見取り入れてやってよ」とマネージャーに笑ってみせた。
当たり前だ。このラウンジは経済界で重要視されてる人物や文化人が利用するんだ。数百万の会員料金をとっておきながらこんなだらしない差配ではいつか問題が起きるぞ。
「豪。偶然だなぁ。俺たちと一緒に飲まないか?」
俺は渋々承知した。
後ろには周のお仲間たちがいる。面倒だが、そいつらは御曹司グループだから邪険には出来ない。いつ、どこでビジネスに繋がるともわからない面々だからだ。
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