ぐるぐる

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 僕は賢くていい子だ。 「小太郎はいい子ね。可愛いね。こたちゃん」  いつも、みんなにそう言われている。  賢いから、その匂いにすぐに気づいた。ずっと前においしいおやつをくれた男の人の匂いだ。  すごく変わった人で夜中にうちの中に入ってきて、ものすごくおいしいおやつを僕にくれたんだ。  嬉しいから感謝の気持ちを鳴いてあらわしたら、うるさかったみたいで、最初は怒られちゃった。  でも、後で、何だかすごく褒められて、おいしいおやつに新しいおもちゃももらっちゃった。だから、今度も挨拶に行ったら、きっといいことがある。  家を飛び出して、探すけど、なかなか見つからなかった。  この匂いが途中で消える感じは自転車か車でやってきて、また、去っていったのかもしれない。  長期戦を覚悟した。  みんな、僕を応援してくれているみたいで、家に帰らなくても、街のあちこちにご飯がある。  おかげで元気いっぱい。おや、今日は匂いが強いぞ。さ、追いかけなくては。  今日こそ、あの男を捕まえるぞ!
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