契約期間満了という名のクビ宣告

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契約期間満了という名のクビ宣告

「後藤さん、お仕事はじめて1か月めで申し上げにくいのですが、先方から来月末で契約期間満了で終わりという連絡がありました。理由はスキルが不足とのことです。」 「・・・・」 私の名前は後藤まき。 接客、秘書、事務は大体やって派遣でも切られることは一度もなかった。 スキルが不足?具体的に何のスキルか? ああ、局に好かれないスキルかな?それしか思い浮かばない。 正社員の経験もあるし語学力もある。今の現場にだってなじめてほかの社員さんともうまくやれてると思ってた。まさかトライアルの二カ月契約で切られるなんて想像もしてなかった。 幸い結婚しているが夫の年収は私より低い。 「・・・・・はぁ」 これしか言えなかった。 派遣会社の営業は 「引継ぎがんばってください。紹介できるお仕事あったら紹介しますので」 内心、二度とお前のところから仕事なんてもらうものかと思ったがそこまで口にはしなかった、だっておとなだからね。 冷静でいること。 これがオトナになることだと勝手に思ってきたから。 まぁ落ち込んでいても仕方ない。 帰宅して夫に話をして、食事をして、寝た。 翌日は普通に仕事をこなしつつ、転職先を探すために在宅勤務をフル活用。 再度自己分析とかも洗い出してみた。 とりあえず、私はインスリン注射を打たないといけないんだからそれくらいは自分で世話できないとだめなの。 人の力も借りたくないし、結局信じられるのは自分だけだから。
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