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失恋したはずだった。
でもそれだけでは、終わらなかった。
「ごめん、好きな人がいるんだ」
と見せられた写真には、
彼の隣であどけなく微笑む男の子がいた。
この春、同期で入社したメンバーのひとりの
川瀬由貴とは出逢って早々に意気投合し、
退社後にサシ飲みをするような仲になった。
目を惹く派手な外見に
普段の生活を明かさない姿勢が重なって、
彼の魅力の虜になっていた私は
彼への恋心を自覚するまで
そんなに時間はかからなかった。
このまま彼のいちばん近いところで、
気持ちを温めていこう。
そう思った矢先、
彼の定期券入れに入っていた1枚の写真に
私は衝撃を受けた。
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