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女はね、追いかけられたい生き物なのよ。
彼女はそう言った。そしてくるりと踵を返した。
その手には乗るものか。
俺は拳を握りしめた。男の狩猟本能を利用した彼女に、俺はさんざん振り回されてきた。もう、彼女を追いかけることはしない。
そう、思ったのに。
立ち去る彼女の後ろ姿を目にした瞬間、俺の足は動き出した。
くそっ。追いかけないと決めていたのに。
でもこれだけは、これだけは言わなければいけない。
ーー腰からトイレットペーパー出てますよ。
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