玲奈の家にて

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玲奈の家にて

「ま~た後悔してるんでしょ。過去なんかいくら追いかけても、絶対に追いつけやしないんだから、今を見なきゃ。  ほら、時々一緒にご飯に行くあの人、絶対奈々未のこと気に入ってるよ。奈々未はどうなのよ?」 「どうって、別に、ただの一般男性としかぁ・・・」 「また、そんなこと言って。何度も食事に行ってるんでしょ」 「だって誘ってくれるんで、断るのもなんかね。奢ってくれるし」 「だったら嫌いではないんだよね。奈々未が何度もいっしょに食事に行くくらいだからさぁ。  私は奈々未にお似合いだと思うよ。いい人そうだし」 「そう言われても・・・」  小学5年生から四半世紀の付き合いになる連れの玲奈は、また、そんなことを言って来るが、その気になれない人とお付き合いなんて出来はしない。  まして、三十代半ばになると結婚も意識するし。  こんなんだったら、5年前に告白された彼と付き合うんだった。今だったら、全然彼も守備範囲なのに。なんであの時、その気になれなかったんだろう。  今考えると惜しいことをしたと思う。今頃後悔してたって、追いつけないんだけど。  でも、あの時は全くそんな気にはなれなかった。
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