午後六時五十二分着、駅のホームで

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「なぁ藤木」 「おう、中森なんだよ」  大学二年生である中森洋介(なかもりようすけ)は、大学の学食でカレーを食べている友人の藤木俊哉(ふじきとしや)に声をかける。彼は、僕の大学での唯一の友人と言ってもいいくらいだった。でも、そこまで仲がいいというわけではなく、心地の良い距離感を保っていた。 「ちょっと聞いて欲しいことがあるんだ」 「何だよ、改まって」  そう言いながらも藤木はカレーを食べ続けている。そんな隣の席に座り、僕も彼と同じカレーを食べ始めた。 「ちょっと話長くなるんだけど」 「おう、分かった。じゃゆっくりカレー食べるわ」  そう言った藤木を横目で見つつ、僕は最近のことを始めた。
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