泥棒パラダイス

ここは泥棒マンション
裏手の酒場はハイテンション
気の抜けたビールみたいに
酔っ払いがE気分で歌ってる
気の抜けたE加減な歌を

手土産は店で出た生ゴミ
女将さんに頼まれちまってさ
そこのゴミ置き場に捨ててっておくれよって
なに、分かりゃしないさ
そこのゴミか　ここのゴミかなんて
なんならついでに帰りの足も
そこの駐輪場でご拝借
タクシー代も浮くし
分かりゃしないさ
誰が盗ったかなんて
そこら辺でテキトーに乗り捨てちまえば
自転車泥棒なんて
怠慢なお巡りが念入りに調べたりするもんか
たかが自転車で
指紋まで調べたりするかい？
調べたって
風雨に晒されてたらどうせ何も出やしないし
防犯カメラだって
大きな事件でもない限り
いちいちチェックなんかするもんか
詐欺で金を騙し取られたって
「金は戻って来ないよ」の一言で済まされちまうんだ
泥棒のうちに入るもんか
自転車なんて
一度や二度なら

だけどさ
万引きには注意おしよ
人目のある所だと
百円二百円の物を盗っただけでも
まるで鬼の首を取ったみたいに
大袈裟に犯罪者扱いされるからね
お巡りって奴はさ
人が大勢見てる所では
得意気に手柄を立てたがる輩なんだ
自分はちゃんと仕事してる
”税金泥棒”じゃないってね

だからご覧よ
よーくその目ん玉ひんむいて
あっちもこっちも
よく見りゃ泥棒で溢れ返ってる
善人ぶってる市井の民も
教師も役人も弁護士先生も
エリート一家の政治家やキャリア組の警察官でさえ
一皮剥いたら大嘘つきの泥棒さ
みんな何かしら人から奪って生きている
何も持っていない人間から
心さえも奪っていく
この世は泥棒で溢れてる

現にそう言ってるあたしだって
そうとは知らずに
加工された肉や魚を喰っちまってるんだ
「これは肉や魚じゃないから食べられるでしょ？」って言われてさ
植物が子孫を残す為に必死で実らせた実を
生き物だとは思わずに喰ってるんだ

そう
この世界はとてつもなく大きな泥棒マンション
ハラハラドキドキのシチュエイション
秩序なんて見せかけだけのイミテーション
いつ何が起こるか分からない
楽しく危険な泥棒パラダイス
永遠に終わらない
奪い合いの世界

欺瞞と偽善に塗れた
泥棒パラダイスなのさ

（２０２３年５月１４日作の詩）
ここに越してきたばかりの頃、自転車３回も盗まれたし、裏手の酒場のママさんらしき人がゴミを置いていこうとしてたのを注意したら「おお、怖い」って言われた。
県警の刑事がスーパーのセルフレジで万引きしたり、教師や自衛官や警官だって、女のスカートの中盗撮したり暴行したりしてる。
善人面してる人に限って、陰で何やってるか分からない。
それで鬱やパニック障害で体も病気なだけなのに、自分以外の誰かの体を傷つけたりしてないのに、私ばかりいつも悪者扱い？
警官だって、聞かれたから答えてるのに、「おめーの事なんかどうだっていいんだよっ」って、まるでチンピラ。「それで俺の訊いてる事に答えろっ」って、だから答えてるのに、遮ってるの自分じゃん。
人の話ろくに聞いてないし、理解も出来てないの自分なのに、なに威張ってんの？
全く納得いかない。
腰の低い警官もいるのに、ああいうのが一人いるだけで印象凄く悪くなるから。