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知れない。正気の沙汰では無い行動であろう。この様な状況が続く中、私は人と話す事が苦になる様に感じ出した。
以前は、人と付き合う事が楽しく友達もいたのだが、
人と接するのが辛く感じてきたのだ。
原因が判らないが、
考えられる事と言えば、鏡に向かって「お前は誰だ!何処から来た?」
と、問い続けていたからであろうか?
衰弱していく私を見かねたのであろう、
嫌がる私を先輩は無理矢理、病院に運んだ。
「お前このままでは、死んでしまうぞ!目を覚ませ。
お前に変な霊が取り憑いているかも知れないぞ」
と、力強い声で先輩は僕に言ってくれた。
病院での診察は、単なる神経衰弱と判断され、
その様な薬の調合を施されるに過ぎなかった。
神経衰弱の私であったが、今もなお、鏡に向かっての問いかけを止める事は無い。
私は鏡に向かって云う。
「お前は誰だ!何処から来た?」
と、何度も何度も問いかける。
人から見たら、狂っているとしか思えないであろう?だが、私にはどうしても解明したい事があるのだ!
鏡の中の自分は、本当に自分を写し出しているのか?
もしかしたら、全く別の他人を写し出しているのかもしれない。
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