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女性オーナー
(ドォー~~ドォー)
「店長、すごい音ですねこの雨! まるで空でバケツひっくり返したみたいですね?」
私は大学卒業後に5年間勤めあげたアパレル系の会社を辞めてしまった。
『勿体ない』って周りは惜しんでくれるがその私が今、コンビニのオーナーをやっている。
そのコンビニ、私の店の上空を今まさに線状降水帯が通過中である。
先ほど屋根を叩きつける豪雨の様子を恐怖として私に訴えていたのが、これから同じシフトに入った 星未来君である。
東京の大学で学びたいと関西から上京した彼の言語には時折関西弁が飛びだすが、気立ても良く女性の私から見れば・・ん~~結構なイケメン男子かも!
「あっそうか! だからなんだ、さっきから駐車場に車は止まるんだけどねぇ・・そりゃこの雨じゃ車から出られないよね。
そうだ星君! オープンの時配った記念品のタオルなんだけど、箱入りが幾つか残ってたの・・覚えてる?」
「開店の時、ご近所に挨拶代わりに配ったタオルのことですよね⁉
それなら確か仮眠室のベッドの下やったか?・・視て来ましょうか⁉」
「それ、それだよ! 星君よく覚えてくれてたね、取り敢えず2箱だけ頼める?」
「承知しました店長殿!」
二十四時間営業のコンビニは夜半に入ると交互で仮眠をとるためバックヤードには仮眠用ベッドを設置しているお店が多い。
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