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まごころサービス
「っらっしゃいませ!」
私たちしか居なかった店内に活気ある星君の声が響き渡る。
少しだけ大人しくなったような雨、すると一人また一人二人と駐車中の車から降りては小走りでお店に向かって突進してくる。
几帳面な方なのでしょうか、中には僅かな距離なのに丁寧に傘を広げ、ごゆるりのご来店客もいる。
「大変な雨の中、有難うございます。まぁまぁこんなにも濡れてしまって、どうぞこのタオル良ければお使いください。なんならお持ち帰りいただいても結構ですよ」
「エー本当ですか⁉ これは有り難い、なんか得しちゃった!」
「エッ私にもいただけるんですか⁉」
「えぇ、是非お使いください、さっ遠慮なくそちらのお客さんも・・どうぞ!」
想いも無く喜んでいただきました。困った時にはお互い様ですものね。この精神は会社勤めしているうちに身に付いたものだ。
雨にずぶ濡れになってしまった、このような時の当事者の悩みといえば・・・
雨に濡れてしまった物理的な困りごとよりも、
『こんなことなら来なきゃよかった』などの後悔の念で心をネガティブにしてしまうことのほうが問題なのである。
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