痛いの~~飛んでいけ!

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痛いの~~飛んでいけ!

 ようやく自分の足で歩けるようになった幼児、その子が公園で転んだ時、その殆どは泣き出すだろう。 そんな時、傍に居たお母さんは倒れている幼児をすぐさま抱きかかえると、幼児の膝をさすりながら口にする言葉の多くが・・ 『痛いの~~飛んで行け!』と痛みへの不安を排除しようとする。  つまり雨に濡れてしまった物理的な被害はタオルで補えたとして・・ 『このようなひどい雨にもかかわらずご来店いただきまして・・』の感謝の言葉を添えることこそが、相手の後悔と言う名の傷みを和らげるのだと私は教わった。 (なんだかとんでもない屁理屈に巻き込んでしまってすみません) 「店長! 大変です! 駐車場が洪水みたいです!」 洪水とはまた大げさな、星君が店長に向かって叫んだのは冠水だ。 「あっ本当だ! 今、入って来た車、あれって凄い水しぶき上げてたじゃん 」  まだ何一つお買い上げいただけては無かったが、私はお客様の安全を優先しる行動をとった。 「お客様! 駐車場がかなり冠水していて危険です! 御用はお済じゃないでしょうが、今のうちに車に戻らては如何でしょうか⁉」
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