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「イヴェリス……!」
目が覚めると、隣にイヴェリスの姿がなかった。ベランダにも、洗面所にも、お風呂にもいない。
電話をかけても出ない。
「ゴグッ! ゴグいないのっ?」
ゴグを呼んでも、ベッドから出てくる気配はなかった。
「トマリ! トマリ!!」
お店に行って、扉を叩く。もしかしたら、ここに来ているかもしれないと思って。
「どうした」
「イヴェリスが、いなくなっちゃった」
「イヴェリスが?」
「うんっ、私がイヴェリスのこと傷つけちゃった」
昨日も散々泣いたのに、涙が次から次に溢れてくる。
トマリは居るのに、イヴェリスがいないなんて。
「イヴェリス、どこに行ったかわからない……?」
「すまない。今はわからない」
「もしイヴェリスに会ったら、帰って来てって伝えてくれる?」
「ああ。伝える。伝えるから泣くな」
本当はイヴェリスに泣くなって言われたいのに、涙を拭ってもらいたいのに。
ねえ、どこに行っちゃったの。
私を一人にして行かないでよ。
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