この時間は予約ということで

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 結花は柵の下をみていなかった。話すうちに葛木の方へと身体を向けるようにして立っていた。 「その程度でいいんです。なんとなく気が紛れたりすればいいかなって」  柵の下を覗き込んだあと、結花の方へと振り返って微笑みながらいう。 「ということで、こんな感じでお話しましょう。これからもよろしくお願いしますね」    この時葛木が放った"これからもよろしく"という言葉には、生きてまた会うことを約束するという意味が込められていたと、後で聞かされることになる。  それはもう少し先の話。
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