第3話

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上田さんが部屋をでると、入れ違いのように真田さんがやってきた。 「那結菜ちゃん、どうかしたの?」 「なにがです?」 特に難しい顔をしていたわけでもないと思う。 「いや、さっき部長がこの部屋から出てくるのが目に入ったから…」 さっきのことだろう。 「特に何も無いですよ。強いて言えば、明後日には事件を解決して欲しいと言われだけですよ。」 「えっ!」 真田さんが驚きの声を発した。 「どうかしたんですか?」 「どうかしたんですか?じゃなくて!」 言いずらそうにしながら真田さんは言った。 「…明後日には事件を解決して欲しい、なんて…いくら那結菜ちゃんでも…」 言葉を遮る。 「大丈夫ですよ。部長さんにも言いましたが、もう少しで解決出来そうなんで」 真田さんは言葉が出ない、という表情をしていた。その表情があまりにも面白すぎる。 ふと我に帰ったのだろうか、真田さんが言う。 「そうだ!那結菜ちゃん、海雲華さんの居場所が分かったよ。今は西田大学に進学してるよ」 (西田大学…それって…) 真田さんを見上げると小さく頷いた。 「松田さんと同じ大学だよ」 (やっぱり…) 「真田さんは…偶然、だと思いますか?」 少しの沈黙が流れる。 「…ただの偶然とは捉えがたいよね…」 「お願いしても、いいですか?」 「もちろんだよ」 そう言うと真田さんは部屋を出た。 点と点が繋がりひとつの線となってきた。 悪い結末が起こらなければいいのだけれど。 そう考えていると、今度はお父さんが部屋にやってきた。 「那結菜、メッセージがきてて、舞香ちゃんからだよ」 (舞香から?…良い予感はしない) そう思いながら、お父さんのスマホに届いたメッセージを見る。 『ねぇ、那結菜どこにいるの?本当にあの事件に関わってないよね?』 (やっぱり…) 感の鋭い舞香には敵わない。 私は「ちょっと出かけてるだけだよ」と送り返し、メッセージ画面を閉じた。
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