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「棚田ですね」
ええ、と相槌を返してくる。
「棚田さんは周りの人からは欲望が強かったと証言を受けてます。欲望が強いなんて、1つしか当てはまる大罪、ないですよね?」
「そうなの?」
明らかにとぼけてる。
「棚田さんは欲望が強いんです。それに当てはまる大罪は、色欲が1番当てはまることないですか?」
「パチパチパチ……すごいね。那結菜ちゃん」
「褒めてくれてるんですか?」
「それ以外に何があるの?」
これは本心なのだろうか……。
そう考えるけれど、考える時間を与えてくれない。
「なら、次は松田くんかな?」
「そうですね。松田さんは少し考えましたよ。でも、周りを見下していた、ということから私の中で出てくるのは1つ。傲慢だけでした。どうです?」
静かに拍手だけが鳴る。
あっているのだろう。
私はそれに続ける。
「ここで1つ。悩んだことがあります。海雲は自ら捕まってるじゃないですか。てことは海雲さんも大罪に含むと思うんです」
「もうそんなことまでわかったの?」
そういった海雲さんの表情は笑っていた。
(予想外では無かった、って事か……)
「海雲さんは、独占欲が強いタイプですよね。」
「やっぱり分かるのね……」
「だから、海雲さんは強欲です」
「お見通しね……なんだか、面白くないわね……」
「そうですか?こんなに海雲さんの謎を解いてるのにですか?とかれないよりは面白くないですか?」
「ふふ。まぁ、それもそうね……」
少しの沈黙。
その沈黙を破ったのは海雲さんだ。
「あら、お話はおしまいかしら?」
「今はここまでです。」
あまり背を向けないようにして部屋からでる。
ちょうど廊下の奥から真田さんが迎えに来ていた。
「どうだった?那結菜ちゃん」
そう聞かれた。
「そうですね……答え合わせは全て出来ましたし、大罪は合ってました。でも、ここからです」
「そうだね……」
その話を最後に黙ったまま部屋に戻った。
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