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第11話
部屋に入れば、私と真田さん以外の2人が揃っていた。
「お疲れ、那結菜」
「うん……」
そう返事をする。部屋の空気はしんみりとしている。
時刻は昼の12時少し前を指していた。
残り半日。
解決出来るのだろうか。
「あの……調査……どうなりましたか?」
そう聞くと、3人は頷いた。
「まず……」
上田さんが話す。
「那結菜ちゃんが出していた七つの大罪の4つは、色欲、傲慢、強欲、嫉妬の4つ。残りは3つ。その3つは、暴食、怠惰、憤怒の3つ。その3つに当てはまる人物をピックアップできたよ」
しっかりと聞いておかなくては……。
そう思うと同時に頭に鋭い痛みが走る。
(いたっ……)
「まず、暴食だけど」
そう続けたのはお父さんだった。
「海雲さんのクラスを受け持つ担任である、古木輝彦さんが挙げられる。古着さんは、大罪の名前と同じような状態が長く続いているそうだ。」
「次は、怠惰だけど」
次を引きつだのは上田さんだ。
「怠惰に当てはまった人物は、海雲さんと同じクラスで前の席の斎藤東栄さん。学校生活でも、家でも怠惰だったそうだよ」
この2人はきっとそうなんだろう。
最後は憤怒。
最後は真田さんが引き継いだ。
「最後の憤怒だけど、松田さんのクラスの担任である伊瀬裕樹さん。授業など、生徒たちが何かをした時など、手がでていたようで、周りの先生からも怒りすぎだと言われていたそうだよ」
(決まり……かな)
「その3人を保護してください。3人が飲むもの、食べるものはすべてこちらで用意して毒が含まれていないか確認してください。もちろん、何があっても、どんなときでも1人にさせないでください。」
「わかった。保護しよう」
そういったのは、上田さんだった。
ただ、と上田さんは続ける。
「いつまで保護すればいい?」
「海雲さんが全ての罪を認めるまで、です」
「……わかった」
そういうと、3人は部屋をでて海雲さんの所へ向かう。
(あとは、海雲さんが認めれば一安心出来る……)
ズキン――。
また鋭い痛みが走る。
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