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もう一押しぐらいだろう。
「あー、そういえば、棚田さんとの関係って刑事さんたちもう知ってるそうですよ」
「か、関係ってなんの事?もしかして、バイトののこと?」
焦っている。
(単純……)
「バイト、じゃなくて、私生活ですよ」
「私生活?」
「はい。私生活。お2人はお付き合いされてましたよね?そこまで刑事さん調べてるんですから、嘘つくなんて見苦しいですよ?」
「なーんだ、そんなことまで分かってるのか……。やっぱ、警察は舐めちゃ行けなかったかな。言うよ、正直に…」
全てを認めた。
棚田さんとの関係。
海雲さんとの関係。
コンビニ事件での犯人は知り合いに頼んだという事。
その他もろもろと口が緩んだかのように次から次へと私たちが分からなかったことまでペラペラと話してくれた。
「では、これで失礼しますね」
そう言って部屋をでれば、次は棚田さんだ。
松田さんの部屋を出て、棚田さんの部屋の扉を開ける。
「こんにちは」
肩が跳ねた。
「驚かせてしまいましたか?」
そう尋ねると、少し、と答えた。
もうすぐで日が沈む。
「あの、単刀直入にお聞きするんですけど、松田さんと面識がないって言うの嘘ですよね?」
「……どうして?……面識がないのは本当よ」
(こっちもかぁ……)
「でも、松田さん認めましたよ?棚田さんと面識があるって」
チッ。
私が驚いてしまった。
さっきまでとは違う雰囲気が現れた。
(舌打ちしたよねぇ)
「分かったわよ!向こうが認めたんでしょ?なら話すわよ。これ以上隠しても意味は無いだろうし」
そう言うと、松田さんと同様に次から次へとペラペラ話してくれた。
部屋に戻る。
これで事件は解決した。
部屋で少し休んでいると、ドアが開いた。
上田さんだ。
「那結菜ちゃん、ちょっと時間いいかい?」
「はい」
そう言うと椅子に座り、話始めた。
「今回はありがとう。本当に感謝してる。本当は小学生に協力して貰うなんて、警察としてどうなのかって思うんだが、今回ばかりは那結菜ちゃんの協力が無かったら厳しかったと思う。」
そういって、頭を下げられる。
「ちょ、やめてください!……これは、私のエゴでもあったので……」
「このお礼は今度改めてさせてくれ」
そう言って、部屋の出口へ向かった。
あ、といって立ち止まると私のほう向いて言った。
「お父さんの仕事もうちょいだからあと数分待ってあげてくれ」
「分かりました。急げって伝えといてください」
と冗談まじりに言うと、わかった、と笑いながら返してくれた。
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