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「うっ……」
頭に走る鋭い痛みで目が覚める。
窓を見るとカーテン越しでも分かるほど真っ暗だ。
頭元の時計を見る。
時刻は午前3時半。
(やるとは思ってたけど……本当にやったよ……)
体調を崩しそうな予感はしていたが、本当に崩すとは……。
そう思いながらも頭痛は収まらない。
布団から降りて、リビングへ向かう。
コップに水を注ぎ、薬箱から頭痛薬を取り出す。
薬を飲んで、部屋に戻る。
(あと数時間で治らないかな……)
今日は学校の日だ。
休みたくは無い。
目が覚めると、時刻は午前7時。
「やばっ!」
急いでリビングへ向かう。
水の音が聞こえる。
「お父さん!?」
気づいて振り向く。
「那結菜、おはよう」
「……うん。おはよう。お父さんどうしたの?起きてるなんて」
笑いながらお父さんは言った。
「起きてたら行けないか?」
「……行けなくは無いけど……」
そんなことより、と父は続ける。
「那結菜は部屋に戻って寝てなさい」
「……なんで……」
そこ、と言った父が指さしたのは机の上だ。
そこには昨日私が飲んだ頭痛薬のケースがある。
(あっ……)
「昨日の夜那結菜の方が先に部屋に戻って、お父さんが最後に部屋を出た時には頭痛薬のケースはなかったんだよ。つまり、夜中に誰が薬を飲んだ。だけど、お父さんではない。那結菜だろ?」
「ちゃんと刑事じゃん……」
刑事だよ、と突っ込まれる。
お父さんにそう言われたら部屋に戻るしかない。
部屋に戻って机の上にある手帳を出す。
付箋に貼ったあらゆるメモ。
そのメモは全て母に繋がることだ。
(お母さん……)
母は3年前に亡くなった。
事件となって。
犯人は見つかっていない。
母に関する事件の情報は見つからない。
すべてが謎のまま。
父は私に心配させない為に態度には出さないけれど、私より辛いはずだ。
私がお父さんの事件に関わるのはお母さんのことを調べるため。
犯人に関われば、何かしらの情報を手に出来ると思うから。
手帳を持って布団に入る。
あの日のことを思い出してしまう。
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