第1話

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現場になったコンビニへ私とお父さんで向かう。 すると、近くから名前を呼ばれる。 「那結菜?」 「舞香!?」 私の親友の風野舞香(かざのまいか)がいた。 「那結菜、こんなところで何してるの?…もしかして、コンビニで起こった強盗について、調べてる、なんて言わないよね?」 「あ、えっと…なんの事?」 舞香に睨まれる。 「怪しい…」 舞香に疑われている。 「ち、違うよ!」 「本当?」 「ほ、ほんと、ほんと」 「止めてよ、那結菜…危ないよ、」 舞香は心配そうな表情を浮かべる。 「大丈夫だよ!舞香は何があったって巻き込まないからさ!」 舞香は頬を膨らませた。 「そういうんじゃなくて!巻き込まないんじゃなくて、巻き込んで!頼って!」 呆けてしまう。 「…なら、守らないとね」 「えっ?」 舞香には聞こえなかったみたいだ。 でも、それでいい。 聞かれるのはなんだか恥ずかしい。 「じゃ、舞香!また来週!」 「うん!また来週!」 そう言い、舞香と別れる。 危うく、事件に首を突っ込んでいると気づかれたかもしれなかった。 いや、気づかれているだろう。 舞香は、頭が切れるよりも感が良すぎる。 それに、人の動作を見逃さない。 舞香の《強み》だろう。 それから、少し歩いてコンビニへついた。 黄色いテープを持ち上げ中へ入る。 (本当に事件があったの?) あまりにも店内が綺麗すぎる。 普通強盗が入れば、驚いて物に当たったりして商品が少しでも散乱したりするはずだ。 このコンビニはそこまで大きくない。 それなのに、商品は商品棚いっぱいに詰められているし、商品棚の幅も人がすれ違うことが出来るかどうかぐらいの幅だ。 そんな幅しかないのに、商品が散乱していないのがおかしいのだ。 隣にいるお父さんは疑問にも思っていないらしい。 本当に警察なのだろうか。 コンビニ強盗があったとき、店内には2人だけだった。 目撃者も2人に絞られる。 「ねぇ、お父さん、防犯カメラ、見せて貰えるかな…」 「真田さんに頼めば見せてもらえるかもしれないな」 お父さんと真田さんが電話でやり取りをしている。 お父さんがこちらへやってくる。 「真田さんがいいってさ、なんたって那結菜は事件の捜査に関わる1人だからだってさ」 警察がそんなんでいいのか、とは思うが今の私にはありがたい話だ。 全ての防犯カメラの映像を確認し終えた。 防犯カメラを確認してもあまり意味は無かった。
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