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現場になったコンビニへ私とお父さんで向かう。
すると、近くから名前を呼ばれる。
「那結菜?」
「舞香!?」
私の親友の風野舞香がいた。
「那結菜、こんなところで何してるの?…もしかして、コンビニで起こった強盗について、調べてる、なんて言わないよね?」
「あ、えっと…なんの事?」
舞香に睨まれる。
「怪しい…」
舞香に疑われている。
「ち、違うよ!」
「本当?」
「ほ、ほんと、ほんと」
「止めてよ、那結菜…危ないよ、」
舞香は心配そうな表情を浮かべる。
「大丈夫だよ!舞香は何があったって巻き込まないからさ!」
舞香は頬を膨らませた。
「そういうんじゃなくて!巻き込まないんじゃなくて、巻き込んで!頼って!」
呆けてしまう。
「…なら、守らないとね」
「えっ?」
舞香には聞こえなかったみたいだ。
でも、それでいい。
聞かれるのはなんだか恥ずかしい。
「じゃ、舞香!また来週!」
「うん!また来週!」
そう言い、舞香と別れる。
危うく、事件に首を突っ込んでいると気づかれたかもしれなかった。
いや、気づかれているだろう。
舞香は、頭が切れるよりも感が良すぎる。
それに、人の動作を見逃さない。
舞香の《強み》だろう。
それから、少し歩いてコンビニへついた。
黄色いテープを持ち上げ中へ入る。
(本当に事件があったの?)
あまりにも店内が綺麗すぎる。
普通強盗が入れば、驚いて物に当たったりして商品が少しでも散乱したりするはずだ。
このコンビニはそこまで大きくない。
それなのに、商品は商品棚いっぱいに詰められているし、商品棚の幅も人がすれ違うことが出来るかどうかぐらいの幅だ。
そんな幅しかないのに、商品が散乱していないのがおかしいのだ。
隣にいるお父さんは疑問にも思っていないらしい。
本当に警察なのだろうか。
コンビニ強盗があったとき、店内には2人だけだった。
目撃者も2人に絞られる。
「ねぇ、お父さん、防犯カメラ、見せて貰えるかな…」
「真田さんに頼めば見せてもらえるかもしれないな」
お父さんと真田さんが電話でやり取りをしている。
お父さんがこちらへやってくる。
「真田さんがいいってさ、なんたって那結菜は事件の捜査に関わる1人だからだってさ」
警察がそんなんでいいのか、とは思うが今の私にはありがたい話だ。
全ての防犯カメラの映像を確認し終えた。
防犯カメラを確認してもあまり意味は無かった。
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