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第2話
警察署へ戻ってきた。
大まかなことは分かった。
けれど、しっかりと犯人に繋がる手がかりはあまり得られなかったというのが事実だ。
このまま行けば、犯人は見つけられない。
頼らないといけなくなってしまう。
さっきはあんなに頑張って誤魔化したのだけれど…。
そんなことを考えていると、ドアの方から声をかけられる。
「那結菜ちゃん!」
振り向くと真田さんがいた。
「真田さん?」
「那結菜ちゃん、お腹すいてない?」
時間を見る。
針は20時を指していた。
いつもなら、夕食を食べた後だ。
けれど、まだお腹は空いていない。
「んー、今はあまりお腹が空いていなくて…」
すると、真田さんに笑われた。
「那結菜ちゃんの癖だね、事件が解決してなかったり、後味が悪いと、何も食さなくなる」
確かにそうかもしれない。
学校で飼っている金魚が死んでしまった夜は、夕食を食べなかった気がする。
「那結菜ちゃんの食べたい時に食べればいいけど、無理は禁物だよ」
「はーい」と返事を返すと、真田さんが、「向こうに居るから、何かあれば教えてね」といって、ドアの向こうへ行った。
すると、それと入れ替わるようにして、お父さんが入ってきた。
「那結菜、お父さん今日は泊まり込みになるけど、那結菜は一旦家に帰るか?」
家に帰っても1人だ。
今日はお父さんが職場に泊まると言っているのなら、余計に寂しい。
小6にもなって、そんなことをハッキリと言えたものでは無い。
「そう、だね。今日は家に帰る。」
「なら、荷物をまとめておいで」
「うん」
本当なら、帰りたくは無い。
でも、帰らないと迷惑になってしまう。
「行けるかい?」
「行けるよ、お父さん」
そう言い、車へ向かう。
家まで車を使えば、数分で着く距離だ。
私もお父さんも事件のことで頭がいっぱいで、車内は静まり返っていた。
家に着く。
「那結菜、また明日」
「うん」
「……あ、そうだ、那結菜。明日は土曜日で休みだけど、ちゃんと起きて朝食もちゃんと食べるんだぞ」
「分かってるよ、お父さんじゃないんだから」
そう返し、私は鍵をかけ家の扉を開ける。
私が家の中に入ったことを確認して、お父さんがエンジンをかけたのが分かった。
廊下の電気を付ける。
「ただいまー」
返事のない家。
やっぱり寂しい。
そう思いながらも、お父さんは仕事で仕方の無いことなんだと自分に言い聞かせる。
今の時代、子供でもスマホは持っている。
だけど、私はお父さんに契約しに行くほどの時間が無いから、まだ持っていない。
こういう、心細いときとか友達の声が聞ければ安心するのだけれど……。
そんなことを思っても仕方がない。
お風呂に入って、歯磨きをする。
案の定、夕食は食べなかった。
いや、食べる気力が無かったというのが正しいだろうか。
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