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「ぶっちゃけ、生贄とかあ、やだなって思ってたけど〜、モリヤさんくらいのイケメンだったら嫁になってもいっかと思うんでえ、お願いしまーす!」
「だ、だめよ! モリヤさんにはもう私っていう最高の嫁がいるんだから!」
ミツがナメたことを言うので、私は後でシメてやろうと思った。
「でも〜、パイセンの雨乞い全然効かなかったじゃないっすか。雨乞いできないなら嫁じゃなくね? アタシと交代で良くね?」
「な、何てことを言うの⁉︎ 私があなたと交代⁉︎ 冗談じゃないわ!」
私は涙を浮かべてモリヤさんに訴えた。
「モリヤさん、私、あなたの嫁ですよねっ⁉︎ 私のこと、好きですよねっ⁉︎」
「あ、うん……照れるなあ」
モリヤさんはザーッと雨を降らせた。
私たちはびしょ濡れになった。
「ほら、ご覧なさい。モリヤさんは私の一言でちゃんと雨を降らせてくれるのよ?」
「でも、村まで来てないんで意味ないっす。今度はアタシが雨乞いするんで、そこどいてくださいっす」
ミツは生足をチラチラ見せながら、スイカのような胸をばいんばいんと弾ませてモリヤさんに迫った。
「モリヤさーん、アタシを嫁にしてくれたら、毎晩スゴイ尽くすっすよ〜! アタシこう見えても百戦錬磨なんでえ」
ぐはっ! とモリヤさんは鼻血の雨を降らせた。
雨だけど、なんか嫌だ。
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