愛は呪いのアイテム

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愛は呪いのアイテム

 物の怪は物の化け物で物の怪だ。  力はあるが、女だから評価されなかった陰陽師の娘が作った呪物。それが織姫と彦星と名付けられた二つの竹だ。  晴れた七夕の日に織姫と彦星を七本の赤い糸で繋ぐ、七本の中の当たりの糸に恋の歌を書くと願いが叶う。歌なので五七五七七の短歌の形が必用だ。  今は織姫と彦星は寺に保存されている。寺の者は織姫と彦星の価値を知らない。ただ枯れない竹として一部の人にありがたがられているだけだ。七本の糸もラッキーセブンからといいかげんに説明されている。  チカちゃん   一緒に見たい  星空を  一緒に見たい  満開の薔薇  男の子が短冊に願いを書いた。そして男の子は当たりの糸に短冊を吊るした。男の子はたまたま七夕の短冊に愛の短歌を書くといいと聞き、短歌を書いたのだ。  良い未来だといいねと言いながら織姫と彦星は男の子を見た。  しっかし酷い歌だねと織姫は笑った。  惚れさせる呪物は未来を捻じ曲げる呪物だ。これほど質の悪い物はない。  男の子はしばらくして一匹の犬と一緒に寺に来たのだった。 「願いが叶いましたありがとうございます」  ワンと犬が鳴いた。  少年はチカちゃんに沢山苦労させられる。
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