雨が好きなお姫様

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雨が好きなお姫様

あるところに、雨が好きなお姫様がいました。 「雨、降らないかしら」 お姫様は窓から空を見つめ呟きます。 すると、お姫様の願いが通じたのか 雨が降ってきました。 なぜ、お姫様は雨が好きなのでしょう。 それは、雨が降るとやってくる ある動物がいるからでした。 「アマリリス!」 お姫様は嬉しそうに名前を呼びます。 アマリリスと呼ばれた白猫は雨に濡れていました。 お姫様は急いでタオルを持ってくると小さな体を 拭いてあげました。 「来ると思ってたわ。あなたは いつも雨宿りに来るもの」 お姫様に返事をするように アマリリスはニャーンと鳴きました。 アマリリスとお姫様は雨が止むまでの間 一緒にいました。 腕の中にいたアマリリスが窓枠に飛び乗りました。 雨はもう止んでいます。 「雨が降ったらまたいらっしゃい、アマリリス」 お姫様はにっこり笑いました。 「ニャーオ」 アマリリスは窓から飛び降り見えなくなりました。 お姫様は雨が降ると、アマリリスを思い出し 窓を開けて、アマリリスを待っています。 「いらっしゃい、アマリリス」 お姫様はニッコリ笑いました。 〈終わり〉
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