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姫子は彼と明るく照らされた焼肉店へと仲良く入った。
お肉の焼けるいい匂いと少し煙のかかった店内。結構人で賑わっている。
「いらっしゃいませー」
「あ、二人」
大我と姫子は半個室部屋へと案内された。
「とりあえずー、生いく? よね?」
「おう!」
「生ふたつと、焼肉のこの盛り合わせ」
ウキウキと注文をして、姫子は不意に鳴ったスマホの画面を見て眉をひそめた。
「なに? 誰だよ?」
「んー、娘の星願」
「それがどしたんだ?」
「甘えたがりで困るんだよね」
「なんだあ? しつけがなってないのか?」
大我はタバコを取り出して吸い始めた。それを注意しに来た店員に睨みをきかせて仕方なく箱をしまう。
「最近はどこでも吸えねえんだな」
「ね。感じ悪いよねー」
「それより姫子よお、その娘にはきっちりと自分のことは自分でするってしつけしなきゃなんねぇぞ。俺は若くして母親亡くしたからな。それからは全部自分の事は自分でやってきた。やろうと思えばいくつからでも出来るんだよ」
大我はここぞとばかりに語り出した。
「わかってるよー。だから高校は寮に入れようと思ってるし」
「寮か。それもいいな」
「そしたら大我とも一緒にいられるし!」
「おう」
そこへ生ビールがふたつ、ドンと到着する。泡がクリーミーでとても美味しそうだ。
「じゃ、大我のこれからの活躍を願ってカンパーイ!!」
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