星に願いを

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――数日後。 凛子の家に淑子が訪れていた。 「先日はごめんなさいねぇ。ちょっと(・・・・)羽目を外しちゃって」 丁寧な手土産は有名店のものだ。珍しく上から目線ではない姑を見た。 「いえ……、たくさんの方に愛されてるんですね……姫子さん。あれから青森の方に?」 お茶を出しながら訊いてみる。 「そうなの。星願はこっちで引き取ったわ。高校もあの子の第一志望へ行かせるつもりよ」 その言葉を聞いてホッとした。あの子が幸せならそれでいい。姫子さんはどこまで嫁ぎ先で我慢が出来るか分からないけれど……。 ていうか、腹を括ったんだ? と少しばかり驚く。あの彼女が? ほんとに? また帰ってくるのではないだろうか? 「まさかあんなどんちゃん騒ぎになるとはねぇ……。後で散々聡に言われたわよ。恥ずかしかったって」 そりゃそうだ。 「でも、無事に青森へと嫁がれて良かったですね」 「バンドで一曲飛ばしてから青森帰るって言うのをどれだけ説得したか。わかる? 凛子さん。あんなの売れないって分かるわよね? 分かってくれるわよね?」 「は、はい……」 分かる分かる。 あの歌唱力では売れるどころじゃない。 「もー、ほんとっっに、親って大変よねえ。凛子さんも気をつけたほうがいいわよ。幸人だって、いつおかしな交際相手を連れてくるか分かんないってもんよ」 うん? 一緒にしないで欲しい。
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