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「まあ、姫子は昔から気の強いところが良いところでもあるから、仕方ないわよね。ああいう事もあるわよね。そうでしょ?」
え? これは、同意?
求められてる?
激しい苦痛を感じる。
同居していた時とは比べ物にならないほどの苦痛だ。今と昔では比べものにならない程の強い気持ち。
凛子は再びモヤッとする事になったのだった。
「ね、悪い子じゃないのよ。本当は優しい子なの。でも意地を張らないと生きていけなくなっちゃったのよねぇ。女手1つで子供を育てるって大変なのよねぇ……」
はーあ、と嘆息する姑。
「……それって、つまり、育てられ方ではないでしょうか?」
凛子はつい、口走ってしまった。
いけない。アッと思った時には既に遅し。
姑の目が釣り上がっていた。
「なんですって?」
「いや、あの、……なんていうか……、その、育てられ方にも問題があったのではないでしょうか? 姫子さんの場合」
「……凛子さん、私が悪いっていうの?」
腰掛けた椅子から身を乗り出してこちらにずいっと近寄る淑子に対して、凛子は身を引いた。
ここって、私の意見を言っちゃいけないの?
そんなのおかしい。ここは私の家だし、あんなお披露目は世間的にも変じゃないか。ごめんね、これ手土産よ、真剣にこれで終わりだと思ってるんだろうか? この人は?
凛子は意を決して口を開いた。
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