星に願いを

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なんだか気分がパッと晴れない凛子は、夕食の時間が終わると、聡達にコンビニに行くと言って外へ出た。 空を見ると、新月から少し経ったお月様だった。 そのすぐ側で、ひとつの星がとても綺麗に輝いて見える。 それを見ながら歩いて、今日あんなにモヤッとしたのは、きっとあの家を離れて本当の自分が出せる環境に今居るからだと気がついた凛子。 やっぱり環境は大切だ。 毎日過ごす家の中で萎縮したり、変な気を遣ったり、おかしな価値観に感化されていた昔の自分。ほんとに嫌だった。 私は私でひとつの家を持ち、ひとつの家族を作りたい。そう願うのは我儘だろうか? きっとあの義母さんからしたら、我儘なのだろう。あの人はそう生きてきたから。 ……私は違う。「仕方ないわよねえ」なんて言いながらお茶をすする老後はごめんだ。自分の子供の事をそんなふうに話すなんて信じられない。 「……離れて良かった……」 呟くと、更に星が輝きを増したように見えた。足を止めてしばらく見とれる。ダイヤモンドのように美しい星だ。 どうか、星願ちゃんがきちんと自分の道を見つけられますように。 そう願わずにはいられなかった。 あの子が どうか、幸せをつかみますように――。
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