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「いやぁ~やっぱり青嵐ちゃん闇に似てるわ」
「え?」
ララに父親に似ていると言われてまるで花が咲いた様に嬉しそうな顔をする青嵐にララが笑顔のまま言う。
「彼奴も自分が即位する為に兄弟皆殺しにしたからなァ。やっぱり親子って似るのかもな」
末っ子同士仲が良くていい事だ。
青嵐は貼り付けた笑顔のままララを見る。
「まぁ、闇の神力って珍しいから話題になったよな。おかげでガキの頃大変だったみたいだけど。誘拐されかけた事件とか結構有名だよな」
「·····まぁ、そんな事があったのですね」
あまりにも北での事件が勃発するから安全な場所に暫く身を隠せるようにと当時の北の君主が少年時代の闇神を水神の元に身を寄せさせた。
「随分と可愛がってたらしいぜ。水が闇を即位の後押しさせるくれぇだもんなァ」
「····へぇ···」
後押しさせた結果が兄弟殺しである。
「御二方にそんな時代があったのですね」
「あったあった。だから不思議なんだよね」
どうして恩を仇で返す様な事を闇神がやったのかが気がかりで仕方ないと言えば
「私も存じ上げませんが、温厚な父が怒る事です。余程の事があったのでしょう」
と、青嵐は庇護する様な言葉を吐く。
東と西を潰して傀儡貿易を進めている暴君が温厚だなんて初耳である。
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