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僕はおにぎりを食べ終えると、食器を洗ってからお風呂に入った。お風呂から出るとまだリビングに明かりがついている。
「保人さん、まだ寝ないんですか?」
パソコンに向かって手を動かしている保人さんに声をかけると、保人さんはコーヒーを一口飲んでこちらを見た。
「もうそろそろ寝るよ。動画編集って夜のほうがはかどる気がしちゃって、なかなかやめられないんだよね」
たぶん保人さんは一人暮らしだったら間違いなく夜型人間の人なんだろう。僕はここがいい機会だと思って保人さんにずっと聞いてみたいことをぶつけてみた。
「あの……愛那さんって、彼氏はいないって言ってますけど、浩介さんとか橙吾さんと実はお付き合いしてたりしないですか?」
「急にどうしたの? まあ、僕の見る限りあの2人はそんな感じじゃないと思うけど」
保人さんは笑ってそう言ったけど、僕の真剣な顔を見て驚きの表情を見せた。
「あれ……もしかして本気で好きになっちゃった感じ? でもそういう話をする相手は僕じゃなくない?」
「そうですか? 保人さんって何でも俯瞰してる感じがするので冷静な答えがくれると思ったから。それにあの2人に直接聞くのはさすがに……」
保人さんはあんまりこういう相談を受けたことが無いらしく、何で俺? を繰り返していた。
「そんな評価をしてくれていたとは意外だよ。でも、原田さんは面倒見良くて優しい魅力的な人だから翔太くんの気持ちも分かるよ」
「えっ……まさか保人さんも……」
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