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 太陽光が肌を突き刺すような新学期。通学路は花が咲いたように、夏休み明けの高校生で溢れている。 「真歩〜、おはよう」 「おはよう、今日も暑いね〜」  学校着くまでに、すでに汗がやばい。蝉の鳴き声が余計に熱を運んでくる。 「まだ夏休みでいいよね〜」 「ね、あっつ〜」  流星群を見たあの日、四人で一生忘れられない体験をした。好きな人を諦めて、友情を選んだ。二人で目が腫れるほど泣いて、お互いを讃え合った。 「お二人さん、おはよう」  後ろから悠誠の声が聞こえて、振り向くと隣に瑛士もいた。 「おはよう。ねぇ、宿題終わった?」 「昨日、宿題で一日潰れた」  そして、また四人でいつも通りに迎えた二学期。 「真歩、おはよう」  まだ少し傷の癒えない私たち。思い切り泣いて、なんだか顔を合わせるのも気恥ずかしかった。 「瑛士、おはよう」  それでも、私はこの三人が好きで、変わらない毎日が続くのが嬉しい。流れ星に願ったあの思いが、これからもずっと胸の奥で輝いている。 「どう? 前よりは焼けてない?」  白い袖口をグッと上げて、細い腕をさらけ出した。 「瑛士、まだ根に持ってんの?」
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