溺愛彼氏★失恋したらチャラ男が一途な本性を現しました

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■  バイトでの持ち場はわたしがキッチン、片桐はホールを担当する。  片桐のキャラクターは接客に向いていて、もくもくと皿洗いする中でも彼の明るい笑い声は届く。最近では片桐目当てのお客さんも居るそう。 「ねぇ、片桐君って彼女居るのかな?」 「え?」  新人の子が頬を赤らめ尋ねてくる。 (あぁ、スタッフ(こっち)もか)  声に出さないで落胆する。せっかく同年代が採用されても彼女等は必ずと言っていいほど片桐に好意を持ち、恋に破れると辞めていく。もはや片桐のせいでバイトが定着しないと断言できる。 「片桐君と仲良いでしょ? 知ってると思って」  わたしが眉をしかめた理由を勘違いし、頭を下げられた。 「片桐、告白してくれればお試しで付き合ってみるって言ってたよ」  質問にいつもと同じ答えを返す。 「そ、そうなんだぁ。お試しでも付き合えはするのか」  それでいつもと同じ反応を返される。
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