溺愛彼氏★失恋したらチャラ男が一途な本性を現しました

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「失恋の傷が癒えないうちにバイト行くなんてミユは働き者だなぁ。偉い、偉い」  ちっとも尊敬していない口調で言われても。 「ただでさえ人手不足なのにシフトに穴開けたら店長に怒られるでしょ。それに忙しくしている方が余計な事を考えないで済む」  片桐とはクラスメートであり、バイト仲間でもある。彼はバイクを買う資金を得る為、わたしは青山君の誕生日プレゼントを買おうと駅前のファミレスで働く。  誕生日を迎える前に破局したので目標は無くなったものの、話した通り、時間があると青山君を想ってしまうから。 「ふーん、ミユはまだ青山が好きなんだ? 思ってたのと違うって言われて振られたんだろう? そんな失礼な事を言う奴なんか、さっさと忘れたらいいのに」 「そう簡単に忘れられれば、髪を切ったりしない。片桐みたく次から次へと気持ちを切り替えられる人ばかりじゃないんだよ」  軽薄な恋愛観をこれ以上聞きたくなくて先に教室を出た。 「ちょ、ちょっと、人聞きの悪い言い方するなよ!」  片桐は足音をさせて追い掛けてくる。わたしの周りを動き回り、茶髪も相まって大型犬みたい。  廊下を行き交う生徒等はコミカルな片桐を笑ったり、携帯電話のカメラを向ける。 「おっ、ツーショット撮ろうぜ! イェーイ!」  お調子者はレンズに気付くとわたしの肩を抱き、ピース。
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