溺愛彼氏★失恋したらチャラ男が一途な本性を現しました

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■ 「マンゴープリンをカップル割りで」  後日、わたし達は晴れてカップル割の対象となりマンゴープリンを注文する。 「ミユはバイト代出たら何を買うんだ?」  青山君の誕生日プレゼントを買うためバイトをしてきたが、その必要はない。 「あぁ、それなんだけど。ペアのヘルメットはどうかなって。バイク、二十歳になったら乗せてくれるんでしょ?」 「ペア?」 「あ、やっぱりバカップルっぽい? 気が早すぎ?」 「いや、バカップル上等じゃん。しかも二十歳になっても付き合ってるのを想定してくれて嬉しい」 「意外、お揃いとか嫌うと思った」 「ミユ限定でなら。長い間片思いしてたからさ、ミユが彼女って触れて回りたいくらい浮かれてる。あと男共への牽制にもなるしな」 「はぁ、わたしはそちらの方が心配だけど? 相変わらず告白されてるって話じゃない?」 「されてるけど、ちゃんとお断りしてる。あ、想ってくれた子には誠意を持って接してるから。もうお試しも仮初めも御免だ」  マンゴープリンが運ばれてきた。カップル割りにするとニ人前が一つの皿に盛られ、シェアして食べるようになっている。 「はい、あーん」  片桐がスプーンを口元へ寄せてきた。 「え、いや、恥ずかしいよ。自分で食べられるし」 「あーん」  小首を傾げ、繰り返す。わたしは諦め、キョロキョロ周囲を確認してからパクリと食べた。 「美味しい?」 「う、うん」 「そ、良かった」  恥ずかしくて本当は味など分からなかったが、彼が蕩けた表情をするので口の中が甘酸っぱくなる。
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