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ーーその後、バイトを終えて裏口から帰るところ、告白の場面に遭遇する。
「ミユ、お疲れー。ちょっと告られてるから待っててくれる?」
そういえばマンゴープリンを食べる約束をしていたっけ。しかし、片桐は今それどころじゃないはず。彼の前には耳まで染め上げ、想いを打ち明ける人が立っているじゃないか。
「マンゴープリンはまた今度。ごめん、邪魔する気は無かった」
片桐にではなく新人の子に言う。
「俺はすでにマンゴープリンの口になってるんだ! 今度なんて嫌だし!」
「なら彼女と食べたらいいじゃない? 付き合ってみるんでしょ?」
感じの悪い言い方をしている自覚はある。
「さっきも言ったけど、お試しで付き合うなんて止めた方がいい。わたし達は試供品じゃないよ、思ってたのと違うって返品されるのってキツイから」
これも新人の子に訴える。どうせ片桐には響かないだろう。
「それからもっとキツイのは返品された後も好きだし、仮初めの彼女期間が幸せだったなぁとか感じる事だよ」
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