溺愛彼氏★失恋したらチャラ男が一途な本性を現しました

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「なによ、それ。意味が分からない」  今度はわたしがその場に踞る。 「残念ながら意味が分かってないの、ミユだけだけ。他の人はとっくに気付いてる」  片桐はクイズを出題するみたいな口調で告げ、おもむろに前髪を撫でてきた。 「ははっ、ミユは髪が短い方が可愛い、似合ってる。おや、でもニキビが出来てるな。寝不足? ビタミン不足か? よし、マンゴープリン食べるぞ!」 「こんな時に? そんな気分になれないんだけど?」 「こんな時だからこそマンゴープリンを食べるんだって。帰ってもミユは青山の事を考えて泣いちゃうだろう? 俺はさ、ミユにお肌ツルツルで居て欲しいんだ」  ニコッと効果音が付きそうな笑顔で、こちらの憂鬱を掻き消そうとする。  片桐の笑顔を《太陽》と表現した子が居たけれど、わたしはどちらかと言えば《月》だと思う。月はわたしを優しく見守り、穏やかに照らす。それでいて裏側を絶対見せない。 「お肌がツルツルって……それより、わたしだけ分かっていない内容とやらは教えてくれないの? なんだか仲間外れにされた感じがして嫌だよ」 「ふーん、知りたいんだ?」  浮かべていた明るい表現をさっと引き、片桐は手を差し伸べてきた。
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