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そのころ祖父は末期の胃がんで、医者から『もって一週間でしょう』と言われていた。
ある日の夜、私は息苦しさを感じ目をさました。同時に、祖父が死にかけていることを感じ取る。私は寝ている母をむりやり起こし、病院に電話をかけさせた。祖父の病室を確認した医師から、家族そろってすぐに来るように言われた。
死に目にはぎりぎり間に合ったけれど、祖父はそのまま息を引き取った。
「イヨには不思議な能力があるみたいね」
葬式が終わってから、母がぼそりと言ったことを今でも覚えている。
◇◇◇
「イヨ! 話、聞いてる?」
「え、何お母さん」
「だから、明日、ミユちゃんちに泊まりに行くんでしょ?」
「うん」
「じゃあ電話かけておくわね」
私は「はーい」と返事をした。
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