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ミユは私のところにかけ寄ると、くずれるように地面にしゃがみ込みんた。しかしすぐに体を起こし、私を見上げて「ユージが、屋上から飛び降りたの」と、しぼり出すように言った。
分かっていたこととはいえ、目の前で現実のものとなるとギクリとする。
「そうだったの……」
そう答えて、次に話す言葉を探しているうちに急くようにミユが話し始めた。
「まさか、イヨが言ったことが本当になるなんて思ってなかった。怖くなってきた。どうしよう……。今日は授業はないそうよ。来週月曜の朝礼で校長先生が説明するんだって」
ミユはそこまで一気に言うと、両手でひざを押して立ち上がると、右手の甲で額の汗をぬぐった。
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