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必死に手を振り解こうとするが、力が入っている剛田の手はそう簡単に解けそうに無い。
「じゃあ、そろそろヤらせてもらおうか!」
剛田が強く拳を握りしめる。
「(落ち着け…!何か方法は無いのか!?)」
手は駄目、足を蹴っても多分効かない。
そしてこのパンチを逃れても次のパンチがある。
その次のパンチを逃れてもそのまた次のパンチ。
運良くこの剛田から逃げ切れたとしても他の奴らが剛田と同じ様にやってくるだろう。
「(全員にやられたら確実に死ぬ!)」
剛田の拳はすぐ近くまで迫ってきていた。
「ぐはっ…!!考える時間くらいよこしやがれ…!」
後退りながら、誠志が剛田を睨む。
「ハァーーーン!!♡凄い快楽だぁ!!!♡」
しかし全く聞いていない様だ。
証拠として、次のパンチを構えようとしている。
快楽でうまく構えられないのは不幸中の幸いだ。
「(もうこの際、コイツにやられるのは仕方ないことにしよう…コイツだけに止めるんだ!とにかく死なないために、全員からタコ殴りされることだけは避けなきければ!)」
でもどうやって?
頭が誠志に問いかける。
果たしてそんな方法はあるのか?
普段温厚で真面目なコイツですらこの有様だ。
こいつが殴っていれば、他の奴らも奴も群がって殴ってくるだろう。
コイツ1人無力化できないのに、どうやって剛田みたいな奴を何人も抑えられようか?
「(考えろ!何か、何かいい手段は…!!)」
ふと、眼球が剛田を大きく捉えた。
「そうか、その手があるじゃねぇか」
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