彼女のローズカラーリップ

7/15
7人が本棚に入れています
本棚に追加
/67ページ
請求時期は本当に鬼のような期間でぶっちゃけ事務室にいると溜め息と愚痴しか聞こえない。 愚痴を言っている暇があったら手と頭を動かせ、大変なのはオマエだけじゃないんだから。 なんて頭の中で私も毒を吐いてしまうから先生の監視もしつつここでやるのが捗る。 電話対応は丸投げなるがその分七原先生と春川先生の全部と消化器内科とその他、県のワクチンと健診の請求と意見書は持って行っているから許してほしい。(絶対に人前では言わないけど沢山仕事やってるんですよと言い聞かせないとたまに折れそう。) 「あ、先生。適応病名ないんで付けてください、それと3週間前の風邪の病名も転帰してください。」 「まってまって、一個ずつで……マルチタスクできんから。」 「大丈夫ですよ、私よりも器用ですから。」 「いやいや、電話しながらメモりながら違うことでキーボード叩ける君に言われたくない。」 「両利きなので。」 「ちげーよ、そーいうことじゃない!」 あら先生、私しかいないですがここは病院なので口調は戻してください。 「前から思ってたけど、どうやったらそんなに出来るの?」 「え………、慣れ、ですかね?」 「…………。」 「まぁ…、たまに自分でも吃驚するときはあるので。」 そう言って直しのレセプトを渡し、ココアでも入れてこようとした
/67ページ

最初のコメントを投稿しよう!