彼女のダチュラのヘアミスト

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裸眼の状態を初めて見ていつもと印象が違った。 全然老けて見えていたわけではないがほんの少しだけ幼く見えた。 とは言っても俺よりも格段大人っぽいのは変わらない。 深みのある紫色のアイシャドウをしっかりと締める黒く細いアイライン。 日本人にしては色素が薄いと思う焦げ茶色の目。 派手ではないが印象に残る彼女の肌の色に馴染む赤い唇。 それだけでも色を合わせるセンスを感じる。 全体的に単体で見ると派手目の色を使っているのにまとまりを感じる。 というか下手に淡い色を使うとおかしくなると思う。 「あ、違いましたか?」 疑問を声をかけながら拭いていた眼鏡をかけ、また眼鏡の位置を直すようにして視線を少し外されてしまった。 急にいつものようになりハッとしたが変な空気は健全状態。 「えっと、USBを返すの忘れてて……、」 「あ、嗚呼。持ってきていただき有難うございました。」 すっかりいつもと変わらなくなってしまい、俺からUSBを受け取ると「では、失礼致します。」とすぐにさっきと同じように後ろを向かれそうになり、 「あの、」 と、意味もなく声をかけてしまった。
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